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ペダルを踏んで風になる №35 [雑木林の四季]

準備OK

      サイクリスト・バイクショップ「マングローブ・バイクス」店主  高橋慎治

この冬も大寒を過ぎ、ときおり暖かい日差しを感じるようになりました。
2月になると夕方の日も長くなり、いよいよ春の到来を期待させます。
ただ、この時期は、すでに感じている方もいらっしゃると思いますが、花粉の飛散がはじまりますね。
今年の春のスギ花粉の飛散量の予測は例年を超えるものだという事で、私自身は恐々としております。
この花粉症ですが、私個人的には運動中の代謝が活発な時はアレルギー症状が治まります。
それに、街からはずれた空気がきれいな山村地域でもほとんど大丈夫です。
おそらく大気中の汚染物質とスギ花粉等が化学反応を起こしてアレルギー物質になるのではないかと勘ぐってしまいます。
これが分かっていて放置されているなら、れっきとした公害ですね。
まあ、とやかく言っても始まらないので、天気のいい日は自転車で空気のきれいな方面へ出かけたいものですね。

さて、前回は自転車のお手入れや保管方法などを少しお話しましたが、冬場にまったく自転車に乗らなかった方のサイクリング・シーズン前点検などをお話ししましょう。

まず、数か月は自転車に乗っていなかったのですから、外置き、部屋置きは関係なく、洗車から始めましょう。
たまった埃を洗い流して、すみずみまで洗車します。
部屋置きの「床の間自転車」でも生活埃が細かいところまで入り込んでいますので、やはり洗車が大切です。
洗車は自転車における全ての部品を洗ってください。
もちろん、タイヤやサドルの裏側、スポークやチェーンにも埃がたまっています。

洗車が終わったら次は拭き上げです。
自転車の全ての部品を吹きあげてください。
さあ、ここからはお手入れと同時に点検になります。

拭き上げ完了と同時に、サドル、ハンドル、ブレーキレバーの固定を確認します。
次に前輪、後輪の固定の確認です。
それぞれの車輪を回してみて縦、横にタイヤをはめているリムが歪んでいないかもチェックします。
同時にタイヤの空気圧の確認、傷、ヒビ割れ等のタイヤ自体の劣化の確認をしてください。
問題がなければ今度はギヤ周りの駆動系ですが、前後ブレーキを掛けながら片足でペダルに乗って荷重をかけます。
それを左右同様に行ってください。
変速機がある場合は変速確認をして、問題があれば変速調整を行ってください。
駆動系にガタやキシミを感じなければ、後ギヤ、チェーン、前ギヤ、クランク、ペダルの取り付け確認は完了ですが、ペダルは別途ペダルレンチで締め付け確認をしてください。
また、駆動系の確認時にブレーキ操作も同時に行っていますので、ブレーキの引き代確認、ブレーキワイヤーのほつれや切れ、ブレーキ本体の取り付け確認及びブレーキシューやパッドの摩耗具合の確認をしてください。

以下、簡単なチェック項目です。
サドル、ハンドル、車輪は真っ直ぐな状態で確実に取り付けられていますか?
経年劣化の起こりやすいグリップやバーテープは、破れたりせずに大丈夫ですか?
サドルは大きな傷や破れ、変形はありませんか?
ペダル、クランクは転んだりぶつけたりして歪んでないですか?
タイヤは摩耗・劣化が著しくなく、空気がきちんと入りますか?
ベルや後反射鏡の破損はないですか?
夜間も走行が想定される方でしたら、ライト類のチェックも必要です。
更に、普段使いの方は鍵の動作点検も重要になりますね。

以上、簡単ですが自転車の運行前点検の要点をお話ししましたが、本来なら点検と確認において専用工具を使った締め付け確認が必要な個所が多々あります。
ご自身で作業実施に自信がないようでしたらお近くの自転車専門店で点検・整備についてご相談ください。

「自転車は機械なんだから、そんなに傷むはずはないでしょ!?」っておっしゃる方もいるかも知れませんが、しばらく乗っていなかった自転車は、どんな自転車でも多少の問題を抱えているものです。
金属の部分は雨晒しにでもしなければ大概長持ちしますが、プラスチックやビニールなどの合成樹脂類やパッキン、Oリングなどのゴム類はお部屋の中での管理でも経年による劣化は進行しますし、屋外であれば紫外線劣化は避けられないものです。

桜の花の咲く時期に桜並木のトンネルを気持ちよくサイクリングするためにも、今からご自身で自転車のリフレッシュをしてみてはいかがですか?
もちろん、新しい自転車で!っていうのもいいですよ。
でも、長年連れ添った相棒の自転車を引っ張り出してみるのもいいでしょう。

ヒビ割れたタイヤを変えて、固くなったグリップを変えて、ブレーキと変速のワイヤーも錆びてしまっているから変えましょう。
少し色褪せてしまったメタリックオレンジの塗装も、ワックスを掛ければまだまだイケます。
サドルは当時奮発したイギリス製の革サドルが付いていますので、サドルオイルを塗り直して磨き込みます。
いろんなところに一緒に出掛けた相棒が、少し老けたようにも思えますが「まだまだ走れるよ」と言っています。
当の私は昔みたいに速くは走れませんから、昔眺めた景色よりもっとゆっくりな景色を楽しめたらなぁ・・・と思います。

どうです?
素敵な自転車ライフですよね。

pedaru35.png

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