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ペダルを踏んで風になる №10 [雑木林の四季]

くるくる

             サイクリスト・バイクショップ「マングローブ」店主  高橋慎治

さてさて、一年で一番寒い時期に突入しましたね。
こんなときは風邪などひかない様に温かくして自転車のお手入れ(メインテナンス)でもしてみましょう。
皆さんは、着ているものが汚れたときは「洗濯」をしますよね。
自動車のボディーが汚れている場合は「洗車」です。
もちろん、自転車も乗り物ですから汚れたら洗車をして下さい。
サビなどが心配な方もいらっしゃるでしょうが、水気をきちんと拭き上げて注油をすれば大概は問題ないはずです。
ただし、ご家庭に常備しているスプレー式の万能OILは、自転車のお手入れにおいては注意が必要です。
特にスポーツ車にはOILとグリスは血液みたいなものですので専用品でのお手入れが大切です。
「こんなもんでいいや」ではなくて、「これでよし!」という様に、「愛情」をもって接して下さい。

さて、ここからが今回の本題ですが、自転車の性格の半分を受け持つ車輪の選択及び調整です。
一般車(ママチャリ)においては、基本的に車輪は最初に組み付けてあるものを廃棄するまで使用することが多いです。
わざわざママチャリのヒルクライム性能を引き上げるために軽量車輪に交換することは殆んどありませんよね。
ところが、初めて買った入門用のロードレーサーでは、車輪などの部品交換で基本性能が大きく変わります。

スポーツ自転車の車輪は、ロードレーサーでもMTBでも使用用途によって車輪の仕立て方がさらに細分化されています。
ですので、相応しい車輪を選ぶ考え方は、ちょうど料理をするときに使う刃物を想像していただくと分かりやすいでしょう。
カッターナイフで魚を捌くことは出来ますが、やはり出刃包丁、柳刃包丁の使い勝手には敵いません。
何が言いたいかはもうお分かりですね?
要望の全てをまかなえる車輪を入手することは難しいってことです。

実は自転車の世界は、実際のツール・ド・フランスなどで使われている車輪や部品、フレームなどプロ選手と同じモノを手に入れることは基本的に可能です。
もちろん安価ではありませんが、自動車のレーシングカーやF1の部品や車体から比べれば自転車のレース用部品の価格はまだ現実的ですよね。

また、個人的にお話した方もいらっしゃるかと思いますが、先程の刃物の話の様に全ての自転車においての基本走行性能の確保は、車輪の選択・調整に起因する事象が大半を占めるものであると私自信は考えています。
いくらメジャーブランドのフレームに大枚を叩いて持ってきても、肝心の車輪がなければ自転車にすらなりません。
ですので、皆さんが考える入門用ロードレーサーの車輪のアップグレードやチューニングにも正当な意味があります。
軽い(しなやかな≒しなる)高価なカーボンリム車輪が良くて、重い(強度&剛性)安価なアルミリム車輪がダメなのではなく、用途とスキルに応じた選択が大事なことです。

車輪に限らず自転車の全てのものは、高価なものが安価なものの何倍も強かったり耐久性があったりというわけではなく、むしろ高性能・超軽量・高効率なんてうたっているモノは非常にデリケートなものが多いものです。

実は巷では、福沢諭吉さんが40人ほど協力してくれないと権利の得られない車輪を贅沢にも普段履きにする方がいらっしゃいます。
本来ならば、そのクラスの車輪はレース仕様バリバリの決戦車輪です。
極論すれば、その日のレースの間だけ機能してくれればいい超高性能車輪です。
でも、レースには参加しないその方にとっては、週末朝練習でのライバルとの対決の材料だったりするのです。
また一方では、毎日往復60Kmの通勤をトレーニングも兼ねて自転車通勤に取り組んでいる方がいらっしゃいます。
そんなシチュエーションであれば、安価で強度のある(重い)車輪でも目的意識を明確にすることで使用価値が明らかに高まります。
また、やはり毎日のことですから、車輪の消耗も目に見えて感じられますし、出来るだけトラブルや消耗品としての出費を抑えられることも有益です。

本来ならば、使われる方の数だけ相応しい車輪の数は必要だと思います。
しかし、理想は非現実的でもありますので、限られた予算と選択肢からのトライになりますね。
もちろん、どんな車輪でも人の手で組み上げられたものですから、最終的な精度確認の調整は必要です。
狂いの出にくい車輪は組めますが、狂わない車輪は出来ません。
当然、車軸の回転調整やタイヤの管理も言うに及ばず大切です。

興味を持って車輪と向き合うと「車輪は生き物」ということを実感せずにはいられません。
乗れば乗るほど整備・調整が必要になり、持ち主の乗り味に変わっていきます。
車輪の変化から自転車の「エイジング」を楽しむのも自転車趣味の一つの拡がりです。

せっかく悩んで手にした相棒ですから、ブランドや価格にとらわれずに使い込んでみてください。
たとえハリウッドスターのような派手さがなくても、ご自身の分身のように可愛がってあげてください。
きっと、冒頭でお話した「愛情」が信頼に応えてくれますよ。

それでは、まだまだ寒いですがクルクルって北風と戯れてみましょうか♪

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【ツール缶】
自転車専用シューズは既に履いていますか?
ロードタイプ又はMTBタイプの2種類ありますが、両方とも自転車をこぐ事を考えた作りになっているので効率や快適性、安全性の向上が期待できます。
ただし、ロードタイプ=歩けない(歩きにくい)、MTBタイプ=歩ける(走れる!)と、大きな違いがあります。
もちろん、ペダル本体もロードタイプとMTBタイプは別物で共有は難しいです。
1台の自転車でも用途に応じて使い分けると有益です。

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※《私のお気に入り》

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OGKヘルメット REDIMOS(レジモス)
http://www.ogkhelmet.com/bicycle/products/redimos/index.html#a-redimos
日本人頭の汗っかきには最高です。
軽くて快適で、ヘルメットを被っているのが気になりません。
チョットお高いですが「安全をお金で買う」という大人感覚がよろしいかと・・・

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