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浦安の風№4 [アーカイブ]

新しい地域共同体への試み

                          ソーシャル・オブザーバー    横山貞利

 去る6月27日(土)「レインボー エージ ネットワーク」の発会式を行いました。この「レインボー エージ ネットワーク」は、わたしが居住している団地(256世帯)の熟年世代(原則として60歳以上)を対象にした組織で、発会式までに30世帯35人(うち女性13人)が申し込みスタートしました。
 「レインボー エージ ネットワーク」を考えるきっかけは、顔見知りの方が昨年末“孤独死”されたことでした。普段、お会いした折には挨拶を交し合ったのですが、彼が独り住まいであったことは知りませんでした。“孤独死”についてはニュースで知ってはいたのですが、まさか自分の身近でおこるとは信じられず、とても他人事とは思えませんでした。そこで、親しい仲間に呼びかける一方団地管理組合や自治会に申し入れ、何らかの組織を作ることや資金面を含めた全面的な協力を諒承してもらいました。そして、仲間たちと発起世話人会をつくって6ヶ月にわたって検討を重ね「レインボー エージ ネットワーク」として立ち上げた訳です。
 このネットワークの原則は
1. 個人の任意の参加であって強制するものではないこと。
2. 個人のプライバシーを侵してはならないこと。
3. あくまで互助の精神を大切にして、日々の安寧を共有しあうこと
 です。そして、人生のヴェテランとして、当団地に居住している人たちのために役立つよう、参加者がいろいろアイディアを持ち寄って、より温かく元気が出る居住空間を構築するとともに人と人とが手を繋ぎあって輪を創り、共に人生をエンジョイすることを目指していこうというものです。
 そのために、ネットワークの運営は数人の世話人たちが中心になって進めますが、アイディアの提案者がリーダーになり、それを世話人たちが補佐し参加者と共に歩いていくことになります。従って「歩きながら考え、考えながら歩く」ことをモットーに「日々之好日」に努めます。現在、決まっていることは、月1回の茶話会を行うほか、年2、3回の食事会、会費1000円(世帯)を予定しているくらいのことです。
 こうしたことを通して参加者のコミュニケーションを図り、情報を交換し合い手助けを行う“横の繋がり”と同時に次世代やその子どもたちと行動を共有し会う“縦の繋がり”も考えています。例えば、熟年世代が子どもの頃習い覚えた竹馬作りやお手玉作りなどを行い、作り上げた竹馬やお手玉で一緒に遊ぶことを通して遊びの文化を伝承しながら“生活の知恵”を伝えていくことも計画しています。この他、ウィークデーの日中に災害が興った時には、このネットワークの参加者が対応していくことになります。
 こうした横への繋がりと縦への繋がりを通して、浦安のような新開地にあって新たな“地域共同体”の在り様を模索していきます。これが、「レインボー エージ ネットワーク」の基本的な姿勢です。
 ところで、「レインボー エージ ネットワーク」と命名したように、熟年世代は人生のあらゆる色を体験しています。それを色に譬えれば“レインボー”と言えましょう。また“レインボー”は“空の橋”ですから、人と人を結び合わせる“かけ橋”でもあり、「Оver The Rainbowー虹のかなたの何処かに」ある筈の“何か”を求めつづけることも意味しています。将に、わたしたちが試みる方向性を表していると言っても過言ではないと思います。
 やっと「レインボー エージ ネットワーク」は緒についたところです。半年後、1年後に、わたしたちが目指していることがどれ程実現できているか全くわかりません。
 人間は、自分が他者のために何をしてやれるのか、他者まかせでなく自ら他者に働きかけ、その結果どんなに小さなことであっても他者の喜びを見出すことができた時、自らの心の充足感を得られるものでしょうし、それによって“生の喜び”、自己の“実存”を確認できるのでしょう。
 「レインボー エージ ネットワーク」は、参加者一人ひとりの小さな力を結び合わせて、お手伝いしあえる組織なのです。暗中模索、思考錯誤を繰り返すでしょうが、荒涼とした現代社会にあって、小さくも“新しい地域共同体”作りへの試みを始めていきたいと考えています。


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